米国の医薬品メーカー、メルク社によって開発されたプロペシアは、今では世界70カ国以上で承認されているAGA治療薬です。
日本皮膚科学会が定めた指針「AGA診療ガイドライン」でも高い評価を得ていることでも知られています。

プロペシアの使用がもっとも適しているのは、20歳~50歳の男性だといわれています。
プロペシアは発毛を促す薬ではなく抜け毛を予防する効果が認められていた薬であるため、早く始めるほうが効果を実感しやすいと考えられます。
未成年が使用することは禁止されていますが、高齢で使用してはいけないということはありません。
ただこれまでの研究の対象者が20歳~50歳であるため、実際の効果のほどがわからないというのが実情のようです。
また年齢を重ねると代謝が悪くなるため薬剤の作用を実感しにくくなるほか、副作用が強くあらわれる可能性もあり注意する必要があります。

ではプロペシアの副作用とはどのようなものなのでしょうか。まず一番気をつけなければならないのが肝機能障害です。
肝機能障害は初期症状が出ないため気付きにくく、進行してしまう恐れがあるためです。
AGA治療目的で使用する場合長期服用する必要があるため、とくに注意が必要です。

また、精子の減少や精力の減退、勃起不全といった症状があらわれることがあります。
これは、プロペシアはもともと前立腺肥大症の治療に用いられていた成分が配合された薬で、男性ホルモンに作用する薬剤であるためです。
しかし、これらが起こる頻度は1%程度と非常に低いといわれています。

このほか、プロペシアは女性、とくに妊婦が服用することは禁止されています。
妊娠中の女性が服用すると子宮にいる胎児が男児だった場合、生殖器に異常をきたす恐れがあるためです。
女性はその錠剤に触れるだけでも成分が摂取される可能性があり危険です。
ご家族など身近に女性がいる場合などはとくに、取扱には十分に注意してください。

プロペシアはAGAにどのように作用している?

プロペシアが効果を認められたAGA治療薬であるとお伝えしましたが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
そもそもAGAの原因は、遺伝と男性ホルモンによる影響がもっとも大きいと考えられています。
男性ホルモンの一つであるジヒドロテストステロンは、男性ホルモン受容体と結びつくことで毛母細胞の細胞分裂を阻害し薄毛を進行させてしまいます。
プロペシアの主成分フィナステリドには、このジヒドロテストステロンの増殖を抑える働きがあるのです。

では、フィナステリドはどのようにしてジヒドロテストステロンを抑制するのでしょうか。
男性ホルモンのほとんどはテストステロンと呼ばれるホルモンで、男性の場合睾丸や副腎から分泌されます。
このテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びつくことでジヒドロテストステロンが生成されます。
フィナステリドは5αリダクターゼを抑制することで、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化することを防ぐ働きがあるのです。

こうした効果を最大に発揮させるためには、正しい方法で服用することが非常に重要になります。
プロペシアの服用方法は、一日一回、一錠をできるだけ決まった時間帯に水かぬるま湯で服用します。
これは体内で常に分泌されている5αリダクターゼを抑制し続けるために、血中のフィナステリドの濃度を一定に保つ必要があるためです。
ジヒドロテストステロンによって阻害されていた髪の成長が正常な状態に戻るまでには、どうしても時間がかかります。
そのため、最低でも6ヶ月は継続して服用する必要があります。

このようにプロペシアに即効性はなく、長く継続して服用することで効果が期待できる薬です。
医師の指導に従って服用方法を守り、焦らず治療を続けてください。